『ボクのタナボタ採集記』延長戦  BY-のりぷぅ☆彡


クワガタの趣味をはじめ…少し経った頃からよく夢を見るようになった。

ブナの原生林…その中にあるミズナラの木…

幹周りが3〜4メートルもあるような巨木で2Mくらいのトコによじ登り…

樹液がダクダクとあふれ出るソコにたくさんのクワガタがくっついてて…

ボクは、それをワクワクしながら覗き込む…

で、その隅の方から…チョコチョコっと顎の先端を覗かせて…

オオクワを発見する…そんな夢をよく見た…

 

樹液場採集の経験のほとんどないボクのあくまでも想像上の夢なのだけど…

 

以前、ブナ林を散策してて…季節はずれのミズナラの巨木を見ると…

シーズンの時には、かなりの樹液をダクダクと流してたんじゃなかろうか?

と、いう樹液の流れた痕を発見したコトが多々あった。

残念なコトに樹液流れるような季節にはそんなトコまでは

なかなか入って行ってない為、確認は出来ていない。

 

ブナの原生林は、冬場は、下草のだいぶなくなってスッキリするので

かなり入りやすく…ソコソコ奥まで入っていけるのだけど…

緑茂って樹液のダクダクでているだろうな季節にはかなりの藪漕ぎを

要されるので、危険もそれだけ多くなるし活動してる危険生物等も増え

視界の悪さは、命取りにもなりかねない為…

そんなトコまでは、なかなか入っては、いけない。

なので、あの流れ出た樹液痕を妄想しながら夢を見る…

そんなスゴイミズナラを見たのは、宮城の山の中だけにボクの脳裏からは

ずっと離れない…オオクワもあ〜ゆうトコならば、夢ではないのだろうか?

 

 

 

 

 

5年計画では、2〜3年でオオクワを偶然拾う予定だったので、

予定通りだったハズなのだが、ボクの心中は、実際はとても複雑なものだった。

 

普通に素直に喜べれば良かった…だけど、ボクの心中はそうではなかった。

何故…ボクは、●●にいるんだろう…何故来てしまったのだろう…

ミヤマとアカアシに会えれば良かったハズなのに…

オオクワもいるとよく多方面から聞いてたような地域じゃないか…

それを知ってて、何故行ったのだろう…魔がさした?!否…甘く見てた。

 

 

 

採れるハズがない()…と、タカをくくってたのだ。

 

 

そして、自ら…人生初のたった1度きりの楽しみを潰してしまったのだ。

灯火でも会えたら嬉しいと思ってた…否、嬉しかったのは嬉しいのだけど…

ちょっと違った…これが、きっと…樹液や材割で成虫を割り出していたのなら

想いは違ったと思う…もしくは、灯火であれば…宮城県内であれば…

ちょっと違った想いだったに違いない。

否…今となっては、それも過ぎてしまったコトだ…

 

 

 

車を走らせ宮城に向かいながら…様々なコトを考えていた。

 

 

 

だって…ボクは、人生で初だというのに…オオクワを採る為に何もしてない。(T^T)

 

 

こんなつまんないコトは、ないし…しかも…コレは…ボクにとっては、次につながるものでもない。

ボクの目的の沿線上には、ない場所での採集だから、偶然であってもこんな出会いは

今すぐにでも打ち消したいくらいに苦いものになってた。

 

宮城での灯火だったら…その地域での樹液場を探すというヒントとなって次へつながる採集が出来る…

材割、樹液に至っては…その木にたどり着くまでの苦労なんかもそうだけど…他の誰にも、何も言わせない程の

自分自身でここにたどり着くまで、こんだけやった…そう思える達成感もあっただろう…

なのに…気づけば拾えるような道の真ん中で偶然に拾ってしまった…ボクがしたコトといえば…

その現地に行ったという行為くらいだ。

 

これが、2度目…3度目のオオクワだったら違ってた…否…ほんとにそうだろうか?

 

他にもげんなりした理由があった。なんでこんなにいるんだろう…ボクにとってオオクワは、

幻のような存在であって欲しかった。極論を言えば…ネッシーやツチノコのような…

誰もが簡単には見るコトも出来ないような特別なものであってほしかった。

だから、2匹目を見た時…嬉しさよりもなんでこんなにいるんだろう…そんな思いもわいたのだ。

そして、隊員の3匹目も見て…更に…その濃いポイントってのにガッカリしていったのだった。

 

否…ある意味特別なのは、特別なんだけど…意味合いもちょっと違ってた…

そして、あの魔力のような変に夢中にさせてしまうような力…吸い込まれるようでコワかった。

有名産地に通いづめになってしまう人の気持ちがわかったが…ボクの求める沿線上は、ソコにはないから

そうなるのは、恐怖でしかなく、ゾッとする話だ。

仙台からたかが片道●●●`圏内なんてボクならいつだって行けてしまうだけにそんな安易な採り方は、

最悪でしかなかった。危うく魔力にかかりそうになってしまった自分がとてつもなく嫌だった。

 

そんなコトに気づいた時には、すでに遅く…ボクの人生初のオオクワ採集は、すでに終わってしまっていた。

 

そんな感情、オオクワを真剣にやってる人からしたら失礼な話だしとんでもないコトで…

だからこそ、余計に…そんな自分に腹ただしくもありイライラして、そして…うしろめたさと恥ずかしさでも

いっぱいになったのだと思う…経験のひとつとしてと思えれば楽だったけど…そう思えるような自分だったら

きっと、今年は、あの場所に通ってしまうコトであろう。なので、ここで感情を誤魔化し嬉しさにすり替えてしまうのは

とってもずるいように思えた…それでも、そう思わなきゃ…とも思い…日記に書いたり…みんなのコメントを見たり

メールを見たりしながら…良かったと思おうとしたが…実際は、逆で…余計に恥ずかしさがこみ上げた。

 

 

 

だって…ボクは、このオオクワに出会う為に…何もしてない…

 

 

 

2年も採集してて…何してるんだろう…ゲームをしてて…攻略本を見ながら最短の道を選ぶような

そんなつまらない採集をしてしまった自分自身に腹ただしくて仕方なかった。

自ら…めちゃめちゃ楽しいゲームに終止符を打ってしまったのだと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうこう思いながら…曲がるトコでも曲がらずに…しばし…ただただ…迷走した…

そうして、日付も変わってしばし経つ頃には…宮城に入り…何故だかものすごい安堵感があふれた。

さてと…灯火でアカアシ探さなきゃ…

アカアシだったら明らかにこの日であれば、●●じゃなきゃなのだが…それでも、なんかの間違いで

またオオクワに出会ったらと思うと泣きたくなってくるので、とても嫌で仕方なかった。

だから、かなり迷走したクセに他県でその日は、その後…灯火下を見ることはなかった。

 

だから、宮城に入った時は、灯火下を見ていいんだ…と、ものすごく安心できた。

…だけど…宮城の気温はすでにアカアシいそうなポイントでは、15度になってた…

蛾ですらも飛んでない…

 

 

 

あはは…ただ…クワガタを採るという意味では、自分のポイント選びも間違ってないと思うと…

2年の経験も無駄なわけではないのか…と、思って…虚しい笑いが出た。

 

やっぱり、宮城と●●ではこんなにも違う…

地形の違いって本当に凄い…だけども…アカアシを探すべく…そんな悪条件の宮城の灯火下を

何本も回りながら…これで、いいんだ…こういう形でボクは、自分の目的へ向かうんだ。

みんなと違っても…自分が満足だったらそれでいいじゃないか…今回は取り返しのつかない間違いをしてしまったケド…

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思いながら…2:30くらいまで灯火下を探したが…

いつも出てくる競合相手の猫すらも灯火下にはいなくて…

アカアシには、結局出会えなかった。

 

 

 

 

時間では、ボクの方が先にミヤマを採ったけど…

オオクワ採っちゃったから…めっちゃKちんに負けた気分だ…

身も心も疲れ果てて…家に到着した頃には、3:00を過ぎてた…

80%ALL…なんだか中途半端だ…眠い目をこすりながら…4:00過ぎまで

シャワー浴びたり…NETしたりして…結局、眠ったのは5:00近かったと思う…

90%ALL達成!!…バカだ…orz

 

 

 

朝には起きて会社に出社である。

 

【おしまい】


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