『ボクのタナボタ採集記』後編  BY-のりぷぅ☆彡


【つづくタナボタと複雑な思い】

 

漆黒の夜道を駆け抜けると前方に青い光が見え…何だろう?…と、思うと自家発電灯火を張ってる人を見かけた。

スゲエなぁ…クワガタ…採れてるんやろか???…と、ちょいと気にはなったものの…そのまま先を急いだ…

山道を抜けるとスグに前方にいかにも採集者?って停まり方をした車を見かけた…

あれっ?もしかして???と、思い…近づきナンバーを確認すると隊員地方のナンバーだった。

 

 

 

あはははは!!ビンゴっ!!

 

 

 

愉快な気分ですぅ〜〜〜っと近づくと運転席に狂骨隊員…車を降りてちょい前方にkuri隊員…の姿…で、後ろから来たボクに目をまあるくさせて

かなりビックリしてた。()

 

ku『隊長?!なんで後ろからぁ〜???』

 

後ろから来たのがかなりビックリしたらしい…ボクは、神出鬼没やねんwww

運転席から降りてきた狂骨隊員に無言でニマニマしながら…例の竹筒を手渡す…

 

狂:『?!なに?コレ???』

 

の:『途中で採ってきたwww

 

狂・ku『?!んえぇっ?!何?ミヤマ???でかくねぇ???…!!ちがっ!!スジあるぅ!!オオクワだ!!』

 

かなり大慌てである。そして、2人は、通り過ぎてきた道にコレがいたコトを知り…妙に意気消沈…

採ったオオクワを見せつけて…小躍りしながら回ってやった()

この時は、ちょっとだけ得意気でウヒャウヒャ気分だった。

で、足もとの小さなコクワに気づき…今年1匹目のコクワを拾いあげた。

 

の:『いるっ?!』と、2人に聞くと…いらないというコトなので…草むらに放ってやった。

 

2人のテンションは、妙に下がってしまった。(^-^;

で、まあまあ…車1台で灯火まわろうともちかけられたが…先にメールをどうしてもしたかった。

この話をメールしなきゃいけないのである。なので、先にメールしたいから、先にこの先の国道くらいまで出て

コンビニで待ってるから、ゆっくり来たらええやん!…と、提案して…先に行くコトにした。

 

 

この時のボクの気持は…実は、とても複雑なものであった。

オオクワを見せたまでは、ウキウキ状態だったのだが、オオクワを採ってしまったという変な罪悪感のような感情がわいてた。

 

そして、他の灯火をなるべく見ないように…視野をあえて狭めて…メールを打ちに行こう…と、切り替えようとしてた。

でも、完全に切り替わってなかったボクは、どうしても見逃せない灯火が道をちょっと反れたトコにあるのを見つけてしまった…

 

 

 

まぁ、とはいえど…先ほどから…採集者らしき車も数台見かけてるし…そんな簡単にはいるもんじゃないっしょ?!

 

 

そんな半分気の抜けた感じで…曲り…1本だけ…と思い、その灯火へ近づいていこうとした時…

手前のこれまた思いもよらなかった灯火の下…ボクの目には右前方の路面に何かがいるのがしっかり見えたので、

それを避けるように横付けし…運転席のドアを開けてすぐ脇にあるそれを見下ろした…

 

 

 

 

 

 

 

 

……ミヤマ?!……

 

 

 

 

 

否…

 

否…あ〜あ…やっちゃった…この時のボクの感情は、正直、真面目にやっちゃった…という感情だった。

2人に対しての申し訳なさがこみ上げた…先に行けば…見てしまう…いくら視野を狭めても…

前にあるものを見過ごすコトは、出来なかった…(+_+)

 

 

 

今、ここに飛来してきたばかりのように…内羽根が未だ出てて裏に返ったままでジタバタしてた。

 

正直、ちょっと迷った…このまま…気づかぬふりをすべきかどうか…だけど…目の前でこんな状態のそれを見たら

…写真がどうしても撮りたくなった。しばし眼下の…それを眺めじっと考える…

ボクの為に飛んで来てくれたかのようなGOODタイミングなその個体…あはは…内羽根♪…

 

それでも本当に複雑な気持ちだ…そんな気持ちで2匹目のオオクワを眺めてると、

もの凄いイキオイで隊員の車が後方からすっ飛んで来て…(マジでビックリした。)

車から駆け降りてきた…

 

 

あ…気づかれた;;;

 

 

で、咄嗟に狂骨隊員がそのオオクワをひっくりかえし…一言…

 

狂:『オオクワじゃんっ!!』

 

tanabota06.jpg ←胸部は、傷だらけ…

 

の:『あ〜〜〜っ!!マダ写真撮ってないのにぃ〜(T_T)…ばかぁ…』

 

はぁ…

 

 

ま、いっか…正直、どうでもよくなってきてた。

採りたいなんて思ってないのに…採ってしまった…見過ごせなかったうしろめたさとか…

申し訳なさなどがあったから、というのと…こんなに簡単に見つけてしまえるこの濃い環境に感動もするのだが、

反面、とても虚しく感じてた…そして、また…そんな感情を抱いてしまってる自分にとてもイライラした。

 

なんで…来ちゃったんだろう…

 

 

その先のポイントは、隊員にゆずって…ボクは、本線に戻って…腑抜けでちょっとだけ気になったトコだけを見るように…

で、その先は目をなるべく瞑るように…先へ先へと急いだ…見ないようにするのが本当に大変だった。

やっぱし…ダメだ…こんなの楽しくない…(TT)…採っておいて言うのもなんだし…

こんなの…採れなくて一生懸命足を運んでる人からしたら、とっても失礼なコトに違いない…

それでも…どうしたら良いかわからないほどに困ってた…なんだか…泣きたくなってきた…

 

 

 

気温表示の電光掲示板を見つけ…朦朧としてても尚、採集記のコトを考えながら…写真を撮った…

 

tanabota07.jpg ←この日の気温…

 

 

 

ボクは、何してんだろ?!…虚ろな想いで撮影してると隊員の車が後ろについた。

どうやら、オオクワを採ったらしい…見せてくれた。ちょっとだけホッとした。

で、このままUターンして帰途につくとのコトだったので、じゃあ、またね!と言って別れた…

何してんだ?ボク…(ヤレヤレ…

 

 

 

 

 

 

正直…この濃いポイントに感動しつつも…反面、ボクの気持はげんなりしてきた…

その先で…ミヤマ♂を見つけ…妙に嬉しくなりつつも…妙に切なくなって泣けてきた。ミヤマ…

 

tanabota08.jpg ←ブレブレの写真;;;

 

あはは…ミヤマ…うれしいなぁ…

ちょっぴり安心できた。あはは…うっ…うえぇ〜ん…(T^T)

 

 

 

 

 

 

もちろんうれし涙ではない。何故だか切なく、寂しい涙だった。

 

 

 

 

 

やってしまった…はぁ…

それでも、人生初のオオクワじゃないか!…もっと喜ばなきゃ…この採集したオオクワにも失礼じゃないか…

そう思って…コンビニの駐車場に車を停めると…数人の友人にメールを送った。

 

みんなおめでとうのメールをスグにくれた。

ほんのちょっと元気になった…ありがたかった…

Kちんからの大量の溜まってたメールがイッキに届いた…()

どうやら、Kちんもミヤマに出会えたらしい…が、時間差でボクの方が、ミヤマに会ったのは早かったらしい…

そして、アカアシは、諦めて…帰宅したらしいと…Kちんにもオオクワの報告をすると喜んでくれた。

 

…うん…きっと…良かったんだ…

そう思ったが…何処かココロここにアラズだった。否、良かったと思いこもうとしてた。

そして、ALLすると言ったので、ちょっと移動した。ポイントも見てみようと思った。

そこへ向かいながら…ふと気付くとボクは、アカアシではなくオオクワを探してしまっていた。

 

 

 

 

 

それに突然、気づき…オオクワの魔力に完全にかからぬうちになんとかしなきゃ!!…と、

突然思い…逃げるようにその地を後にした。

 

 

何してたんだろう;;;…オオクワ…採っちゃった…

 

かなり困惑しながら…そこから少しでも遠くに離れなきゃ…と、車を走らせてると…1通のメールが届いた…

…そのメールは、ボクのココロを見透かすようなそんなメールでボクは、更にいっそう恥ずかしくなった。

 

 

 

何してたんだろう…ボクは…こんなトコ…来ちゃいけなかったんだ…

オオクワ…オオクワなんて…採らなきゃ良かった…半べそかきながら…宮城に戻らなきゃ…戻らなきゃぁ〜!!

と、あわてて宮城へ向けて車を走らせた。そうして、自分のしてしまった過ちにいたたまれない気持ちで

いっぱいになって本当に悲しくて仕方なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オオクワ採ってこんな気持ちになるなんて、たぶん…ボクは、おかしい…

 

 

 

オオクワ狙ってもいないのにタナボタでオオクワ採るなんて甘過ぎる!!

 

かなりわけのわからない

ボクの今年の採集は、ある意味終わってしまった瞬間だった。

 

『ボクのタナボタ採集記』延長戦へつづく

 


inserted by FC2 system